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http://hdl.handle.net/10119/10804
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タイトル: | グラフェンの走査透過電子顕微鏡観察の試み |
著者: | 東嶺, 孝一 |
発行日: | 2012-08 |
出版者: | 北陸先端科学技術大学院大学技術サービス部 |
誌名: | 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学技術サービス部業務報告集 : 平成23年度 |
開始ページ: | 51 |
終了ページ: | 58 |
抄録: | 本年は、金属や半導体などの無機材料だけでなく、これまでにはそれほど多くの依頼の無かった、高分子材料を用いたデバイスの観察をする機会が多くあった。特にこのような場合には、試料やTEM(透過電子顕微鏡)観察用試料の準備方法、観察方法等の詳細について研究者と良く話し合いをしたり、試料の構造や物性を調べたりしておくことが、良い成果を得たり、新たな知見を得たりすることにつながるのではないかと感じた。過去においても、例えば炭素系の材料としては、金属ナノ粒子を担持させたカーボンナノチューブのTEM観察を行った例がある。300kV の加速電圧でTEM観察を行った際に、カーボンナノチューブ上の金属ナノ粒子が凝集して粒子径が大きくなる現象が観察された。このことから金属ナノ粒子の融点がバルクの融点よりもはるかに低くなっていることが示唆され、比較的低い温度加熱による金属粒子の精密サイズ制御法の開発へと導いた。このように、依頼を受けた観察においては、試料とデータの受け渡しに終始するだけではなく、研究者の目指す研究についての理解を深め、最新のTEMやSTEM(走査透過電子顕微鏡)技術についての理解を深めるために努力をすることが、高度な技術サービスを提供するために、そして、良い成果をあげてゆくために非常に大切である。今回は、これまでに経験の無かった、別の炭素系物質であり、近年注目されているグラフェンについて、予備実験としてSTEM 観察を試みたので、それについて報告する。グラフェンは炭素原子のsp^2結合による六角形の格子構造を持ち、厚さが1 原子であるシート状の物質である。グラフェンを用いた電界効果トランジスタやセンサーデバイス等の研究開発が行われており、本学でも近い将来観察したいと考えているとの相談を受けたので、まず、グラフェンそのものの観察を試すことにした。グラフェンのSTEM観察をおこなうに際して、普段良く観察をおこなっているSi の単結晶の場合と比較して、STEM 観察上どのような違いがあるかについて検討した。このような事前の観察実験や検討を通して、グラフェンのSTEM 観察を行う場合の観察条件を適切にしたり、問題点を明確にしたりすることができるものと考えられ、今回の結果は、今後の研究者との話し合いやデバイスの観察の際に役立つと思われる。 |
URI: | http://hdl.handle.net/10119/10804 |
資料タイプ: | publisher |
出現コレクション: | 平成23年度 (FY 2011)
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記述 |
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H23report_pp51_58.pdf | | 2954Kb | Adobe PDF | 見る/開く |
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