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タイトル: 地域通貨の進化の解明に向けた分析枠組みの提示-全国調査に関する先行研究の検討を通じて-
著者: 宮﨑, 義久
吉田, 昌幸
小林, 重人
中里, 裕美
キーワード: 多様性
進化
日本
地域通貨
類型化
発行日: 2016-03
出版者: 進化経済学会
誌名: 進化経済学論集
巻: 20
開始ページ: 1
終了ページ: 13
抄録: 本報告の目的は,多様化し続ける地域通貨の盛衰を把握すると同時に,日本における地域通貨の進化を解明するための新たな分析枠組みを提示することにある。泉(2006)または西部編著(2013)によれば,日本の地域通貨の発展経路は非常に多岐にわたっており,多様な形態に分類することができる。これまでの研究では,2002年から2008年にかけて,全国的な地域通貨の実態調査が行われ,11本の論文または報告書が刊行されている。中でも,日本総合研究所(2004)では,全国の地域通貨運営団体およそ300サンプルを抽出し,各団体がどのような地域通貨の発行形式,目的,参加者,効果などを目指し実践を行っているかについて,明らかにした。同様に,おおむねその他の研究も日本における地域通貨の実態を把握するためのものにとどまっている。泉(2006)は,社会情勢と地域通貨の共進化という観点から,日本における展開状況ならびに稼働調査を実施し,地域通貨が定着するための制度的条件について考察を行っているが,共進化のプロセスに関する具体的な説明がなされていない。 本研究では,全調査のサーベイを踏まえて,日本における地域通貨の進化を解明するために,進化経済学の枠組みを援用することを試みた。そもそも進化経済学は,主体(相互作用子)間の相互作用を通じたルール(複製子)の変容と,変容したルールの下での主体間の相互作用の変容という過程の中で生じるルールの複製・変異・普及を対象としている(西部,2010)。中でも西部(2010)は「経済社会における財の生産・流通消費を相互調整し,社会の再生産を可能とする経済調整制度」(市場=交換,コミュニティ=互酬,国家=再分配)における複製子として貨幣を位置づけ,「貨幣の特性に何らかの人為的な変異を意図的に与えることで,その表現型である経済調整制度」を変化させることができるとしている。 結論として,日本における地域通貨の進化を解明するための分析枠組みとして,以下の3点を明らかにした。第一に,日本における地域通貨の全国調査は実態調査が中心であり,進化プロセスの視点から解明したものが存在しないことが分かった。第二に,新たな分析枠組みとして,普及・伝播のプロセスとその結節点,組織・ルール間の関係性が重要であることが分かった。第三に,日本におけるLETSの事例分析から,海外の取り組みや実践者が起点となり,国内の地域通貨研究者または実践者として重要な人物たちが結節点となり,LETSが国内に広がっていったことが分かった。
Rights: 本著作物は進化経済学会の許可のもとに掲載するものです。Copyright (C) 2016 進化経済学会. 宮﨑 義久,吉田 昌幸,小林 重人,中里 裕美, 進化経済学論集 , 20, 2016, 1-13.
URI: http://hdl.handle.net/10119/13785
資料タイプ: author
出現コレクション:a10-1. 雑誌掲載論文 (Journal Articles)

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