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タイトル: 強結合を介したプラズモニック化学反応の実証のためのプラットフォーム開発(国際共同研究強化)
その他のタイトル: Platform development for demonstration of plasmonic chemical reaction via strong coupling(Fostering Joint International Research)
著者: 山本, 裕子
著者(別表記): Yamamoto, Yuko S.
キーワード: 表面増強ラマン散乱
ラマン分光学
銀ナノ粒子
4-アミノベンゼンチオール
単分子ラマン測定
発行日: 31-May-2019
抄録: 本研究の目的は、銀ナノ粒子表面で起きる未知の化学反応のメカニズムを検証することにあった。得られた研究成果は (1)4-アミノベンゼンチオール(4-ABT)分子を銀ナノ粒子表面に付着させ可視レーザー光を照射すると通常はアゾ化して二量体の表面増強ラマン散乱(SERS)スペクトルが観測されるが、4-ABT濃度を10^-8M以下にすると報告例のない新規スペクトルが観測された。 (2)量子化学計算法でSERSスペクトルを再現したところ、この新規スペクトルは化学反応の結果ではなく4-ABT単分子のSERSスペクトルであり、分子の揺らぎに応じて様々なピークが出現していると推測された。研究成果の学術的意義や社会的意義: 4-アミノベンゼンチオール(4-ABT)分子は表面増強ラマン散乱(SERS)研究の分野で既に20年以上研究されてきた重要な分子のひとつである。今回、そのような長い研究の歴史を持つ分子にも拘わらず新たなSERSスペクトルが発見されたため、それ自体に大きな意義がある。またそのSERSスペクトルの由来を計算化学で調べたところ、何かの化学反応の結果ではなく4-ABT分子そのものが由来と推測される結果が得られた。しかも通常、ラマンスペクトルとSERSスペクトルは同一であるが、4-ABT分子では両者が異なっておりこれも新たな発見である。これまでの20年の研究の歴史に新たな風を吹き込むもので非常に意義深い。 : The purpose of this study was to verify the mechanism of unknown chemicalreactions that occur on the surface of silver nanoparticles. The research results obtained are: (1) When 4-aminobenzenethiol (4-ABT) molecules are attached to the surface of silver nanoparticles and irradiated with visible laser light, they are usually azoized and surface-enhanced Raman scattering (SERS) spectrum of its dimers is observed. However, when the 4-ABT concentration is 10^-8 M or lower, a new spectrum previously unreported was observed. (2) We reproduced this new SERS spectrum by quantum chemical calculation method. this new spectrum was not the result of the chemical reaction but the SERS spectrum of a single 4-ABT molecule, and various peaks appeared depending on the molecular fluctuation.
記述: 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
研究期間:2015~2018
課題番号:15KK0188
研究者番号:00598039
研究分野: ラマン分光学、表面増強分光学
言語: jpn
URI: http://hdl.handle.net/10119/16033
出現コレクション:2018年度 (FY 2018)

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