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タイトル: 言い訳オブジェクトとサイバー囲炉裏 : 共有インフォーマル空間におけるコミュニケーションを触発するメディアの提案
著者: 松原 孝志
臼杵 正郎
杉山 公造
西本 一志
発行日: 2003-12
出版者: 情報処理学会
誌名: 情報処理学会論文誌 = Transactions of Information Processing Society of Japan
巻: 44
号: 12
開始ページ: 3174
終了ページ: 3187
抄録: 本論文では、リフレッシュルームやラウンジといった共有インフォーマル空間におけるインフォーマルコミュニケーションを触発するシステムを構築し、その評価を行う。そのために、まず、組織において自然発生的にできた‘溜まり場’でどのようなインフォーマルコミュニケーションが行われているかを知るために観察実験を行った。観察実験の結果、共有インフォーマル空間の利用者は、そこに行く理由や居るための理由として頻繁に‘もの(オブジェクト)’に触れたり注視したりしていることが見出され、このことにより距離圧力を回避し「居心地」よくしていることが推定された。我々は、これをオブジェクトの持つ言い訳効果と考え、そのような‘もの’を「言い訳オブジェクト」と呼ぶこととした。次に、観察実験の結果を考慮し、言い訳オブジェクト効果のあるシステムを実現するための要求分析を行い、伝統的な「囲炉裏」をメタファとして用いることにより、インフォーマルコミュニケーションを触発するシステムを構築し、これを「サイバー囲炉裏」と呼んだ。さらに、実現したシステムの予備的評価を行うため「サイバー囲炉裏」を含む3種類の実験環境を設定し、「居心地」の観点から被験者によるアンケートに基づき、「サイバー囲炉裏」における「居心地」に関するオブジェクトの言い訳効果を示唆する結果を得た。さらに、実運用による評価実験を行い、開発したシステムがインフォーマルコミュニケーションを触発するのに有効であるとの結果を得た。 : We propose a new concept, raison d’etre objects, and a new ware, cyber-hearth, that affords snugness in face-to-face communication in a shared informal place such as a refreshing room or lounge. We carried out observation experiments on the behavior of individuals in such a place and found interesting tendencies: most people behave unconsciously to pay attention to physical objects by watching or handling as excuses for entering or staying there. This might be because participants are unusually close each other in terms of proxemics. We developed a prototype cyber-hearth IRORI that incorporated raison d’etre objects with a facility for enhancing conversations, employing a metaphor ‘hearth’ (‘irori’ in Japanese) as a total design principle since ‘irori’ is well recognized as a snug, traditional informal place in Japan. We preliminarily evaluated IRORI by conducting a user experiment. The results of the experiment suggested that IRORI attained snugness and therefore were effective for catalyzing face-to-face informal communication. Then, we made evaluation experiments in the real environment and obtained results that IRORI was effective to catalyses face-to-face informal communication.
Rights: 社団法人 情報処理学会, 松原孝志/臼杵正郎/杉山公造/西本一志, 情報処理学会論文誌, 44(12), 2003, 3174-3187. ここに掲載した著作物の利用に関する注意: 本著作物の著作権は(社)情報処理学会に帰属します。本著作物は著作権者である情報処理学会の許可のもとに掲載するものです。ご利用に当たっては「著作権法」ならびに「情報処理学会倫理綱領」に従うことをお願いいたします。 The copyright of this material is retained by the Information Processing Society of Japan (IPSJ). This material is published on this web site with the agreement of the author (s) and the IPSJ. Please be complied with Copyright Law of Japan and the Code of Ethics of the IPSJ if any users wish to reproduce, make derivative work, distribute or make available to the public any part or whole thereof. All Rights Reserved, Copyright (C) Information Processing Society of Japan.
URI: http://hdl.handle.net/10119/3334
資料タイプ: publisher
出現コレクション:z7-10-1. 雑誌掲載論文 (Journal Articles)

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